京都銀行
京都銀行は京都府京都市下京区に本店を置く地方銀行です。営業基盤が日本有数の観光地ということもあり、その規模も比較的大きく、総資産で全国の地方銀行のうち第7位となっています。京都府の指定金融機関でもあり、地元からは非常に高い支持を集めています。その歴史を遡ると、1941年発足の丹和銀行へと辿り着きます。この丹和銀行とは、京都府北部の丹波、丹後地方に本拠地を置いていた4つの銀行、西丹銀行、宮津銀行、丹後商工銀行、丹後産業銀行の4行が合併したことにより発足した銀行です。
もともと京都の中心には店舗が無い銀行でしたが、1943年に京都支店を開設すると、1950年には京都府の本金庫事務を受託、1951年から現在の「京都銀行」の呼称に改称しました。また、もともと福知山にあった本店を現在の下京区に移動させたのもこの頃です。実は数々の変遷の中で京都銀行は大きく成長してきたという歴史も持っています。1960年の日本経済の高度成長期時代、京都では多くのベンチャー企業が立ち上げられていました。
その業種も当時では先端を行くエレクトロニクスや精密機械等の企業であり、京都は独自の市場を形成することで高度な技術開発力と独創的な経営の企業群が成長していきました。京都銀行はそうした企業から早い段階から付き合いを深め、後に大企業へと成長していくそれらの企業を当時から支援していたことで、現在も強固な営業基盤の裏側にはそうした企業が顧客として存在することが影響しています。
また、1980年代からのバブル崩壊や様々な経済危機の際にも、地元地域の実情を心得たきめ細やかな営業活動と徹底したリスク管理で経営基盤の安定に努めています。そして、2000年以降の日本の第2次成長期においては、もともとから持ち合わせていた高い健全性を武器として、京都府の隣接県へ進出し、「積極的な攻め」と「鉄壁の守り」を兼ね備える銀行として、飛躍的に成長しました。
地域トップバンクの座を確たるものとし、「広域型地方銀行」戦略のもとに周辺地域までも自行の営業基盤とするために店舗数増加などの施策を積極的に取り入れています。特に変革期ともいわれる平成13年から第2次成長期と呼ばれる平成23年度にかけての成長速度は凄まじく、この10年間で預金残高は約4兆円から6.5兆円に大幅に増加しています。地元密着の戦略で強固な基盤を築いてきた京都銀行ですが、地元から高い支持を集めるのにはそのブランド力が関係しています。京都銀行といえば地元ではこのようなキャッチフレーズで有名です。
「飾らない銀行」、創業から続く健全な経営を象徴したこのキャッチフレーズで地元からの支持を集めています。また、そうした想いを利用者にもっと広めたいという想いの表れとして、京都銀行の英語名称は「The Bank of Kyoto」ですが、ATMや店舗には「The Bank for Kyoto」と記載されています。また、上述したように京都発の大企業とも深いつながりがあり、一般に「京都銘柄」と呼ばれる京都企業の株式を多く保有しています。
個人向けへのサービスとして京阪電鉄との提携によって駅構内に設置するATM「ステーションATMエキバンク」を主要駅で展開しており、駅構内に設置してあるという利便性から高い支持を得ています。また、特色あるサービスの一つとしては、全国の金融機関の中でも初めて、任天堂の提供する携帯用ゲーム機である、「ニンテンドーDS」で提供されるサービスの一つである「ニンテンドーゾーン」を銀行内に設置しています。
より地元の人から愛される銀行を目指して単なる地域密着を超えた地方銀行を目指すというのが京都銀行の経営理念ですが、その達成に向けて様々な施策を導入していることがここからも読み取れます。また、京都銀行を利用する多くの顧客が利用しているサービスとして、同行が発行する一体型ICキャッシュカード・クレジットカードの「京都カードネオ」があります。
このカードは他行でも見られるようなクレジット、キャッシュカード、電子マネーや交通系電子マネーが一体となったICカードです。ただ、このカードは年会費初年度無料、このカードで京都銀行ATMを利用した場合いつでも、何回でも手数料無料ということもあり、高い支持を得ています。そんな京都銀行ですが、京都市内への進出は上述したように後発であったため、京都市の指定金融機関を受託していないほか、京都市内では激しいシェア争いが繰り広げられています。特に、京都においては旧三和銀行の流れを汲んでいる三菱東京フィナンシャルグループのシェアが高くなっています。
京都銀行が一位を抑えてはいますが、市内には京都中央信用金庫や京都信用金庫、前述の三菱東京UFJ銀行に加えて三井住友銀行も高いシェアをもっており、都銀4行との熾烈なシェア争いを強いられています。地元から愛され、強固な営業基盤を持つ京都銀行ですが、巨大な力を持つ都銀4行に対してどうのようにシェアを守り、そして獲得していくのかは地元からも注目されています。「飾らない銀行」のキャッチフレーズで地元から愛される京都銀行の今後に期待です!
全国の京都銀行店舗一覧
全国の京都銀行を都道府県別にまとめていますので、それぞれの地域をクリックして確認ください。