南都銀行
南都銀行は奈良県奈良市に本店を構える地方銀行です。また、2006年の奈良銀行のりそな銀行との合併以降は、奈良県内に本拠を構える唯一の銀行となっています。もともと三菱銀行と親密な関係であったため、現在でも三菱東京UFJ銀行と関係の深い銀行となっています。県内唯一の地方銀行ということもあり、県内シェアは圧倒的な数字を誇り、企業数においてはメインバンク6割、融資のシェアでも5割を占めるなど他の追随を許さないような数字を出しています。
しかし、県内経済の不振や周辺地域におけるシェアの低下など様々な要因から苦しい戦いを強いられています。現在、南都銀行は既存営業エリアで顧客とのリレーションを更に深化させるとともに、周辺地域でも強い経済基盤を持つ大阪府や京都府などの重点戦略エリアにおける拠点展開を更に進めることによりコアエリア(地元)の拡充を進めようとしています。これにより地域の活性化や預金・貸出金等の増強による規模の拡大を通じた収益機会の創出を図るということが目的です。
また、銀行の活力創造を通じ夢と誇りに溢れた企業風土の醸成を図るという考えのもとで活動をしています。この方針にのっとり、平成26年4月から平成29年3月までの3年間を計画期間とする中期経営計画「活力創造プラン」をスタートさせています。中でも注目すべきは、奈良県及び周辺地域の成長産業である、医療に力を入れた支援を行っているという点です。メディカルローン+という医療機関専用の融資商品も取り扱っており、最大2億円を20年という長期にわたって貸付できるというもので、開業支援なども行うような商品になっています。
また、全国的にも注目を浴び始めている投資型クラウドファンディングについても取り扱いを開始しています。これは、奈良県が県内産業、特に特色ある地場産業などを応援するために開始した、「ならクラウドファンディング活用支援事業」に寄り添い、行っている事業になります。また、奈良県という県の特質から観光産業への投資というのは決して避けることのできないものです。南都銀行は「地方創生」という考え方のもと、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」という戦略をもとに、特に地方公共団体と取引をしている34カ店の営業店長などを地方公共団体に対する地方創生推進担当者と位置付けてチームメンバーに加えることで、地域金融機関の立場から地方版総合戦略の策定などの県の地方創生事業に積極的に参加する姿勢をとっています。
また、南都ディーシーカードとの提携で、同地域の観光産業を応援するための「奈良県観光活性化ファンド」の設立も行っています。特にレストランや宿泊施設など観光の際に必須になる部分について現在は支援を行っているとのことです。南都銀行の過去をたどると、1879年の六十八国立銀行の設立までさかのぼります。その後の展開は1934年まで飛び、ここで地域内の銀行であった六十八銀行・吉野銀行・八木銀行・御所銀行の4つの銀行が合併したことによって南都銀行が誕生しました。創業から奈良県内で活動していことで近畿日本鉄道との関わりが非常に強いため、同鉄道の駅構内にあるATMの管理も行っている。また、南都銀行は現在、東大阪への進出活動も積極的に行っています。
東大阪は歯ブラシからロケットまで、というフレーズで知られるように何でも作れる東大阪のものづくりという産業の強さに着目してのことです。現在の東大阪で活躍する中小零細企業は製造業だけで約7000社以上あると言われています。長引く不況のなかにおいても受け継がれた匠の技を活かして日本だけでなく世界のトップシェアを誇る製品が毎年のようにうまれてきます。
例えば、東京スカイツリーに使われている緩まないネジ、オリンピック選手にも愛用される曇らないスキーゴーグル、自衛隊戦闘機の外側に貼っても剥がれないシール、世界初の空気入れのいらない自転車エアハブ、ロボ選手権世界大会で優勝した小型高性能の二足ロボット、国立天文台ハワイ観測所「すばる」光学赤外線望遠鏡に採用されたマイクロレンズアレイなど、挙げていけばきりがないほどです。現在、南都銀行が行っている戦略は、まさにこうした産業、こうした企業に対する絶え間ないアプローチによる顧客創出です。
20以上ものライバル行が熾烈な争いを繰り広げているこの地域で、メガバンクを抑えて顧客を創出するには並大抵ではない営業努力が必要になります。そうした意味合いからも全力で取り組んでいる事業の一つであると考えられます。「ナントなら、ずっと!」というのは奈良県の住民であれば知っているものの、周辺地域に進出すると知名度が低いということが現状です。南都銀行の考えとしては、地域産業の支援などの地域密着型金融としての使命は果たしつつも、さらなる経営基盤の拡大のためにも知名度を上げようと日々必死の営業努力をしています。
そして、その営業活動により、少しずつ知名度を上げ、活動拠点を拡大していっているとも言えます。県内唯一の銀行としての強みを生かしながら、周辺地域に視野を広げ、営業基盤と知名度の拡大を目指す南都銀行に今後も期待です!
全国の南都銀行店舗一覧
全国の南都銀行を都道府県別にまとめていますので、それぞれの地域をクリックして確認ください。