みずほ銀行ニュースリリース

みずほ銀行が2017年7月14日にサウジアラビア国営水道公社(National Water Company)との下水道施設の民営化プロジェクトに関するアドバイザリー契約の締結を発表しました。

サウジアラビア国営水道公社は、サウジアラビアの国営公社で、配水や下水処理などを担っています。近年、サウジアラビアは、石油依存経済からの脱却を目指しており、最近ではサルマン王国が46年ぶりの2017年3月12日に訪日したことも記憶に新しい。

また、サウジアラビアをすべての面における「先駆的かつ優れたグローバルモデル」として成功させるべく国家プロジェクト「Saudi Vision 2030」を掲げており、産業の多角化や民営化の推進をしています。

水分野についても、サウジアラビア都市部を中心に急速に人口が増加している中、下水道施設を含む水処理の安定運営供給が重要課題となっており、サウジアラビア国営水道公社は、民営化推進による運営の高度化や財政負担削減について、色々な角度から検証を進めています。

民間レベルでもサウジアラビア向けの下水道ビジネスミッションを受け入れており、下水処理水再生施設、汚泥再利用施設、浄水処理設備の視察や、日本の協力のもと、先進的な研究開発や人材育成を担う機関の設置を検討しています。

他にも日本企業が持つは海水淡水化に使われる「逆浸透膜」などの膜技術を武器に、世界シェアトップを誇る東レとサウジアラビア企業との合弁では、2015年からすでに水処理膜の現地生産を開始しており、三菱レイヨンアクア・ソリューションズもサウジアラビアに照準を合わせており、サウジアラビアビジネスが加熱しています。

今回のみずほ銀行のアドバイザリー契約締結では、民間事業者が下水道施設の建設を行い、維持管理・運営し、事業終了後にサウジアラビア国あるいは地方自治体へ施設所有権を譲渡するBOT方式によるプロジェクト化を想定している案件でもあります。

みずほ銀行は、サウジアラビアの「先駆的かつ優れたグローバルモデル」の1つとして民営化推進のモデルケースとしたい考えです。

尚、サウジアラビア国営水道公社のBOT方式によるプロジェクト化は、国家プロジェクト「Saudi Vision 2030」にそった、最初の民営化案件となる予定です。

みずほ銀行は、今後の水分野により民営化促進の観点や水分野ビジネスの将来的可能性についても重要な案件の一つとして位置づけられています。

今回のサウジアラビア国営水道公社とのアドバイザリー契約によって、みずほ銀行は、サウジアラビア国営水道公社に対して、水道産業面や金融面などの知見提供や、これまで官民連携で培ったノウハウなどを提供する予定です。

アドバイザリー契約では、主にM&A仲介会社として締結する仲介依頼契約のことですが、みずほ銀行がオリジネーションからクロージングまでの幅広い全面的なアドバイスを行うフィナンシャルアドバイザーとしての役割に加えて、リードアドバイザーとして、他のテクニカルアドバイザーやリーガルアドバイザーと協働し、サウジアラビアにおける下水道民営化プロジェクトの3案件についてアドバイスを行う予定です。

みずほ銀行とサウジアラビアの関係は強く、みずほ銀行はサウジアラビアに拠点を持つ唯一の邦銀でもあります。みずほサウジアラビアでは、主に投資・進出などのアドバイス提供や調査・レポート提供などを行っており、2009年11月の拠点開設以来、サウジアラビア国内にてアドバイザリービジネスを始めとした総合金融サービスを提供する重要な役割を担っています。

みずほ銀行は、これまでどおりに日系企業等の海外進出をさらに支援していくとともに、日本とサウジアラビア両国の発展に貢献していきたいと考えています。

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